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傷を負うということ

あたしの顔には
傷がある

顔の真ん中

すごく目立った

今でも
体調が悪いと
赤く腫れ上がる

人と話してても
その傷を見られてる気がして
その相手の目を直視できない時期もあった

店で買い物したり
何かものを聞くのも
躊躇うようなこともあった

けど、

傷を負っても
たとえその傷の痕が残っても
あなたはあなただよ

そう言ってくれる人がいて

なんとか
前を向いて歩いていけるようになった



傷を負った時
救急車に乗った自分は意外にも冷静で

近所の野次馬の人の顔がはっきり見えた

あたしは、
あたしは野次馬しないようにしようと思った



傷を見て
見てみないふりをしてくれる人もいる

傷を負った直後は
すごく目立ったから
それがうれしかった

顔に傷があることは
自分の中ですごく特別な事な気がして

見ないふりをしてくれることは
それがないもののように扱ってくれる気がして
自分は特別じゃないんだって思うことができた

けど今は
だいぶ薄くなって
もちろんほんとに目立たなくて気づかないならそれでもいいし、
もし気づいたら
この傷も自分の一部だと思えるようになりはじめてるから

その傷、どうしたの?

と、聞いてほしい気もする

自分のことだから
それも知って欲しい気がするのよ




今度、道徳の授業で乙武さんの事やるんだよね

Q.乙武さんがみんなにしてもらいたいことはどれでしょう

1.そっとして、かまわないでほしい
2.色々お世話をしてほしい
3.どうして手足がないの?と聞いてほしい

正解は

『五体不満足』の記述によると

3なのだそうです。

あたしはそれ聞いたとき
ちょっとわかんないなぁって思ったけど

自分に置き換えてみたら
あ、そういうことかぁ
とも思う。

子どもが「どうして手足がないの?」と聞く
それをみたお母さんが子どもをたしなめ
自分に謝って、足早に立ち去ってしまう

あぁ、また障害者の理解者になれるかもしれない人を一人うしなってしまった

あたしは先輩先生がやるのを
まんまマネしてやるんだけどね

うまくできるかしら



自分が傷を負うことは
そのときは
とても不幸なことだった

どうしてあたしが
って思った

けど何年かすると
自分の中で
折り合いがついてきて
なんとなく自分でも受け入れられるようになってくる

だから
なんでそうなの?って聞いてほしくなるんじゃないかな
とも思う


けど、ここまでなれるのは
さっきみたいに

それがあっても
あなたはあなただよ

って、言ってくれる人の存在のおかげだと思う


ありがとう

お礼を言うのがだいぶ遅くなっちゃったけど・・

ありがとう


あたしも
そうやって言ってあげられる人に
なりたいと
今では思うよ。
by eripan0504 | 2005-06-05 01:00 | ひとりごと
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