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飛来の地

この台風が来る前のことです。

私の家は、めったな事ではチャイムが鳴らない客人の少ないさみしい家なのですが、
この夏から秋にかけて、よくチャイムが鳴る。
本当によく鳴る。

先日も、いつものようにチャイムが鳴りました。
インターホンで外の様子を見てみると、誰も映っていない。
小さな声だけが聞こえます。

ドアをおそるおそる開けてみると。

そこには近所の子どもが二人、
にかーっと笑って、私を待ってるんですね。
「先生、のどかわいた!」
・・笑
にこにこして言うの。

実習以来、うちには子どもがよく来るんです。
ある時は野菜を持って、
またある時はおじいちゃんやお母さんと。
昭和30年代の古き良き慣習がいまだ根づく、わが愛すべきホームタウン。笑

子どもたちはのどを潤すと、
「よしっ、次は○○公園だ!あ、先生じゃあねー」

キックボードを蹴りながら遠ざかる、二つの後ろ姿を私はずっと見送ってました。

小さすぎて、インターホンにも映らないような子ども達だけど、
彼らが来るのは、不思議と私が不安だったり気持ちがかさかさしている時。
受かった実感が湧いたのも、子どもたちの嬉しそうな顔を見たからでした。

だけど、どんなに可愛くても手放したくない気持ちが湧いても、
自分の胸にぎゅって抱きとめたままにするだけが、自分のする事じゃないって言い聞かせています。
時に、子どもの持ってる力をこわいけど信じて、そっと背中を押してやれるような器量がほしい。

冬が終わると、鳥たちが飛び立ってくように
子どもたちは我が家にほんのひととき飛来してくるだけ。

そう思って家に入ると、またチャイムが。

「先生!○○ちゃん転んじゃったよ!」
・・・苦笑。
応急手当して、また送り出してやりました。

今度、子ども用の小さいこっぷを買いに、雑貨屋に行こうとおもってます。
by eripan0504 | 2004-10-09 23:10 | 子ども
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